「忘れていた」の敬語表現「失念しておりました」の使い方と例文

誰しもうっかり忘れてしまうということはありますが、「忘れていた」ということを相手に伝える際の敬語表現として使われるのが「失念しておりました」です。

本記事では「失念しておりました」の使い方、例文を紹介していきます。

「失念しておりました」の適切な使用場面と例文

「失念しておりました」は、ビジネスシーンで頻繁に使われる表現で、「うっかり忘れていました」の丁寧な言い回しです。

このフレーズは、特に目上の人や取引先、顧客に対して、何かを忘れたことを謝罪する際に用いられます。

例えば、メールの返信が遅れた場合や、約束や業務上の重要な事項を忘れてしまった際に使用します。使用する際は、後に謝罪の言葉を添えることで、より丁寧な印象を与えることができます。

「本日の会議の件、失念しておりました。急ぎ対応させていただきます。」

会議の約束を忘れてしまった場合、失念していたことを素直に認め、迅速な対応を約束することで、プロフェッショナリズムを保ちます。

メールの返信が遅れた際には、「申し訳ありません、完全に失念しておりました。ご指摘の件、早急に対応させていただきます」と書くことで、遅れたことへの謝罪と共に、今後の対応計画を伝えることが重要です。

これにより、プロフェッショナリズムを保ちながら、信頼回復に努めることができます。

提出物の締切を忘れた際には、「報告書の提出期限を失念しておりました。至急、処理いたします。」のように失念を認め、速やかに解決策を提供することが重要です。

このアプローチは、責任感を示すために役立ちます。

「明日の面談の予約を失念しておりました。改めて日時を確認させていただけますか？」

面談の予約を忘れてしまった場合、この表現を使って謝罪し、再度スケジュールの調整を求めることで、協調性と誠意を示します。

「失念しておりました」を使う際は、過度に使用しないことが重要です。

頻繁に同じミスを繰り返し、常にこのフレーズを使っていると、責任感がない印象を与えかねません。

また、この表現を使う際は、真摯な謝罪の意を伝え、今後の改善を約束する姿勢を見せることが重要です。

これにより、相手との信頼関係を損なわず、ポジティブな関係構築に繋がります。

「失念しておりました」は、もともと知らなかった情報や、初めて耳にする事実に対して使うのは不適切です。

このような状況では、自分が知らなかったことを認め、「存じておりませんでした」や「承知していませんでした」というような表現を使う方が適切です。

また、自分にとって新しい情報に対しては、「承知しておりませんでしたが、確認してみます」というように、積極的に情報を得る姿勢を示すことが大切です。

もともと知らなかったことに対して「失念しておりました」と表現すると、既に知っているはずの情報を忘れてしまったと誤解されるリスクがあります。

そのため、自分が知っているはずの情報と、初めて耳にする情報を区別し、それぞれに適した表現を用いることが、コミュニケーションの誤解を避ける上で非常に重要です。